自転車の鍵には種類やグレードだけでなく「正しい使い方」があります

2019/04/24

ためになる話 自転車の知識

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我々サイクリストにとっての最大の敵は雨と自転車泥棒です。

雨は天気予報で回避することができますが、自転車泥棒を完全に回避するのは簡単ではありません。

プロに狙われたら100%の防犯は不可能です。鍵というものが「製造」されているものである限り破壊はできます。破壊できないものはそもそも製造出来ません。

…とはいえ、同じ鍵であっても知恵や工夫で防犯力を高めることは可能です。

これは逆を言えば「正しく使っていないとセキュリティ性の高い鍵であっても防犯力が落ちる」ということでもあります。自転車の鍵には種類やグレードだけでなく「正しい使い方」があるのです。


防犯知識① 鍵は空中に浮かせる

鍵に関する基本中の基本ですが、普及していなかったりするこの話。


鍵は空中に浮かせるように固定しましょう。これをやらないと防犯力が下がります。

なぜ空中に浮かせるのかと言えば、地面に置くような状態で固定していると自転車泥棒側がクリッパーを使いやすいからです。クリッパーは地面に押し付けなら切るのが基本ですからね。

空中に浮かせおくと「固定する面」がないのでそれだけで自転車泥棒からすれば鍵を切断する手間がグンと上がります。

youtubeや様々なブログで壊して検証してみるといったものがありますが、あれは参考になるものでもありならないものでもあります。地面に押し当てながら切断するものがチラホラありますからね。

『動画見たけど簡単に切れるじゃん!この鍵やべぇ!』という単純思考はやめましょう。地面に置く時点で鍵の壊しやすさは格段に高まります。


これは分かっていてもやらない方が結構多かったりします。「空中に浮かせる=フレームに直接当てる」となりますので傷が入るのを嫌う方は多いです。

一見バカみたいな話ですが実のところ最もだったりします。

高価なロードバイクはカーボンにしろアルミにしろ本当に薄いので、例え盗まれなくても凹むだけで使い物にならなくなる場合も多々です。相手が素人であるほどこの危険は高まります。

とはいえまぁ「鍵は空中に浮かせる」というのは基本であり前提であることは変わりません。これを守るor守らないのは自由ですが、知っておいて損をすることは無いはずです。

防犯知識② 鍵は短い方が防犯力は高い

引き続いて基礎知識の話です。基本的に鍵は短い方が防犯力は高くなります。短いと重量も軽くなりますので一石二鳥で嬉しい知識ですね。

なぜ短い方が良いのかと言えば、これも①と同様で短い方が切断しにくいからです。


極端なことを言えばフレームと鍵の隙間がゼロであればクリッパーを挟むスペースすらありません。こうなるとどれだけクリッパーが強力であっても切断することは限りなく不可能です。

まぁそうなるとプロ窃盗団は金ノコギリとかで切ろうとするわけですけどね…。

鍵が長いとちょっと車体を動かせば「地面に当てる」ことが出来たりします。そうなると①と同じ理由でバッサリいかれてしまうわけです。


こちらの例はよろしくありません。

一見してきちんと止めているようですがケーブルが長すぎますね。ここまで長いとちょっとずらすだけで「地面に押し当てて切る」ことが出来てしまいますのでNGです。

防犯知識③ 鍵の種類と防犯力の高い順番

ここまでを読めば分かると思いますが、頑丈な鍵であっても正しく使えていなければ防犯力は下がります。鍵メーカーによっては防犯力を数値化しているところもありますが必ずしもその通りになるとは限りません。

商品グレードを一切考慮せずに鍵の種類で防犯力をランキングすると一般的には以下のようになります。

① U字ロック
② チェーンロック
③ ブレードロック(多関節ロック)
④ ケーブルロック(ワイヤーロック)

チェーンロックとブレードロックの差は微妙なところですが、ベストがU字ロックでありワーストがケーブルロックであることは確実です。

チェーンロック・ブレードロックは壊すための「コツ」というものがあったりしますが、U字ロックにはそれがほとんどありません。

チェーンロックとブレードロックはU字ロックと比べると構造上どうしても接合部に負荷をかけやすくなっていますからね。U字ロックはそれが無いので力技で壊すしかありません。

ケーブルロックは論外に近いです、切ろうと思えばあっさり切れます。

とにかく「切断しにくいこと」を意識する

自転車泥棒に対抗するためにはテキトーに鍵をかけるだけでは不十分です。

例えばですが、自転車そのものを宙づりにしてロックをかけるアプローチもあります。ロードバイクであればドロップハンドルに引っかけることが出来ますからね。固定位置が上方向にあればあるほど切断に労力がかかりますのでこのようなやり方で防犯力を上げることも可能です。

同じ鍵であっても防犯力を高めるために「切断しにくい」ように工夫をしていきましょう。

結局のところ何を買えばいいのか

とはいえ、鍵そのものの頑丈さというものも重要です。

工夫を凝らしても安価な鍵であれば力技で切断されてしまうのもまた現実…。

ここまでを読んでもらえれば分かると思いますが、自転車に対するセキュリティ性を最大限に高める鍵は「短いU字ロック」です。


つまるところを頑丈なU字ロックを買うところからスタートなわけですが、この「頑丈なU字ロック」はあまり選択肢がありません。

基本的には以下のどちらかになります。黒い方と黄色い方の二択です。両方とも有名なのでちらほら見かけます。

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黄色い方のUロックをamazonで見てみる
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双方強度は申し分ありません。

ただ重量も相当ですが。黒い方は1.5kg、黄色い方は2kgあります。ロードバイクでこんなものを持ち歩くのは現実的とは言えません。ホイールを守る場合はさらに+αが必要ですし。

サイズについても良し悪しです。黒い方も黄色い方も「長すぎる」場合があるので固定する場所を選ぶ場合が多いでしょう。

例え頑丈でも長すぎたらダメなのがU字ロック…自転車の鍵は必ずしも大が小を兼ねません。普段固定する場所が決まっておりサイズが適正ということなら言うことはありませんけどね。

『この2つでは長すぎる』という場合はもうワンサイズ短いオレンジ色のものがあります。

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こちらも結構メジャーなUロックです。現実的にはこれくらいの長さのものが使いやすい場合が多いですね。

強度としては上2つに劣りますがそれでも十分以上には頑丈です。都会だとちょっと危うさはありますが地方であればほとんどの場合で心配はいらないでしょう。というわけでUロックの選択としてはオレンジのものが都合良かったりするんじゃないかと思います。


ロードバイクブームも完全に終焉したのでスポーツ自転車の窃盗率も比例して下がっています。

しかしながら人間というものは一度盗みをやると大抵の場合で繰り返すもので。今までは高額な自転車が狙われる傾向が強かったと思いますが、「獲物」が少なくなれば高額ではない自転車まで獲物に含まれるようになるのは当然の話です。

『オレの自転車は高いヤツじゃないから大丈夫だよ!』と慢心するのはやめましょう。ジャイアントのクロスバイクだって十分に盗難の対象になります。


ちなみに個人的にはブレードロックを使うことが多いです。

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理由は何と言っても軽いことと専用ケースが付いていることです。

特に重要なのは専用ケースですね、バッグを持ったりするのが嫌なので自転車につけっぱなしでいいというのはとてもストレスフリーです。

強度としては上で取り上げたUロックに及びませんが地方なのでこれで問題ありません。都会であってもコンビニ数分くらいであれば問題ない強度でしょう(※ホイールは除く)。

長時間留める場合はさらに1.2kgのチェーンロックを併用しています。

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地方でここまでやって盗まれたら…もう諦めるしかありません。

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自転車関係のことについてアレコレ書いてたり書いてなかったりするブログ…でした。

現在は新しい方に移行しているのでこっちではどうでもいいことを書いていたりします。

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