自転車はアナログ機材である…という概念はだいぶ過去のものです。
家から出れば電動アシストママチャリを見ない日がありませんし、スポーツ自転車にしてもMTBでの導入が「ふつう」になりつつあります(e-MTB)。
そのうちロードのカテゴリーでも電動アシストが一般化するのでしょう。変速機だって電動がスタンダードになる日がそのうち来ます。
W数と同期して自動変速が行われるようにもなるでしょう。シマノがだいぶ前に作ってましたよね自動変速のやつ。あれは単体だったから違和感でしたけどW数と同期すればシームレスです。古き良き21世紀~。
まぁその辺の近未来像はさておき自転車の脱アナログ化は止まりません。
電動アシストの「次のデジタル」は埋め込みGPSによる位置情報検索システムです。動力の補完が終わったら他にやることはGPSとビデオレコーダーの導入くらいしかありません。
…というわけでそんなシステムがちらほらとリリースされています。
・「自転車を盗まれた時のことは忘れられない」 ショップスタッフと開発者が語るオルターロックの必要性(シクロワイアード)
それっぽいことをされるとアラームがビービーなったり、埋め込みGPSで追跡が出来るシステムですね。まぁサイクリストであれば一度は誰しもが『こういうの無いの?』と思うやつです。
アラームがビービー鳴るのは有効だと思いますが、埋め込みGPSは現実的にたぶん無駄です。絶対とはいいませんが高確率で無駄です。そんな話です。
オルターロックは「たぶん被害者を救わない」
こういったデバイスはたぶん被害者を救いません。
なぜ被害者を救わないのかと言いますと日本では自救行為が認められていないからです。「盗んだものを自分で取り返す」という行為が現実的に出来ません。
我々サイクリストからすれば『いやおかしいやろそれ!』ですが実際そうなので…。
「盗まれようとすればアラームが鳴る」は有効です。これはつまるところ「被害者にならないための措置」ですね。救われる段階になってからでは遅いのです。
けいさつさんに『僕はこういうシステムを導入していますので犯人はここにいます』と言ったところでスルーされます。『ホンマか!なら今すぐ踏み込むわ!』とは絶対になりません。
仮にこういったデバイスを搭載したロードバイクが盗まれたとします。この場合は警察に連絡し、警察に被害届を出し、警察がそれを受理して捜査対象の事件とならなければこういったデバイスは有効にはなりません。
しかしながらそんな悠長なことをしている間に自転車はパーツ毎にバラされてメルカリに行きます。これが盗まれたロードバイクの現実です。
はー…(ため息)。
『ポリがアテにならんなら直に乗り込んだるわ!』はいよいよ悪手です。犯人と対面したら…まぁ喧嘩になるでしょう。つまり殴り合いです。こうなると向こうも暴行事件の被害者となります。
程度が軽ければ起訴されることはまずありえないでしょう。しかしながら、現実的には「拘留」されるだけでも相当な社会的痛手です。
テンションが上がって相手をぼっこんぼっこんにしてしまったら起訴の可能性が大ですし、そこまではいかなくても『とりあえずは逮捕』となりえます。
日本国において「逮捕」の社会的ダメージは相当なものです。結果的に不起訴になったとしても犯人扱いですからねこの国。こわい!マンマミーア!ジーザス!
…と、ざっくりこんな感じになるのでこういったデバイスはたぶん被害者を救いません。
むしろストレスを増幅させるだけなんじゃないですかね。『ここに犯人がいる(と思われる)のに何も出来ない…』という思いをさせるわけですから。
まぁ…盗まれたらどうやっても負けですね、はい。
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