…というわけでファットバイクを買うor興味があるなら知っておきたいメーカー・ブランドの12選です。一部例外はありますが基本的に日本国内で買えるもので揃えました。スペシャライズドやキャノンデールという有名総合ブランドを除いたもので集めています。
(1) SURLY BIKE / サーリー
<URL>https://ja.surlybikes.com/
ファットバイクの3割はサーリーで出来ています。
サーリーは言わずと知れたクロモリフレームを使った北米の自転車メーカーですが、ファットバイクの"元祖"を始めたのこちらです。そのようなわけで『ファットバイク≒サーリー』と言ってもさほど間違いではありません。「fatbike」で画像検索すると3割くらいはサーリーです。
クロモリフレームなので基本重いです。完成車の販売もされていますがフロントサスペンションを付けるようなことはしません。
とはいえこれこそがサーリーです。タフでヘビーで媚びません、ブルースウィルスの映画のような感じでしょうか。軟弱者はお断り…と本当にWEBサイトに書いてあるので面白いですよ。
ファットバイクの使い方はそれぞれだと思いますが『本当に雪道を自転車で移動しなければいけない』といった実要度を考えたらサーリーに軍配が上がるところでしょう。
クロモリなので多少は雑に使っても平気です。
ファットバイクは悪路用とはいえ万能ではありません。進めないところは進めませんし進めくなれば倒れます。倒れたところに石でも転がっていたら破損するかもしれません。頑丈であるということは最高の条件です。
フレームの細かいディティールに対して「汎用性」を持たせてあるところも強い。『これがやりたい!』といったカスタム要望に対してサーリー以上に答えてくれるメーカーは少ないですね。オシャーレなのでシティで使ってもスマートでございます。
意識が高いというかクラフトマンシップがあるというか。ちょっとハイソなメーカーです。
(2) SALSA BIKE / サルサ
<URL>http://ride2rock.jp/brands/salsa-cycles/
ファットバイクの2割くらいはサルサで出来ています。サーリーと合わせて半分ですね。
そのようなわけでここで読むのをやめてもOKです。半分は制覇していますから十分と言えば十分。
サルサはサーリーと同じような雰囲気のメーカーですが、サーリーよりもハイテクかつアーティスティックです。カーボンフレームを使ったファットバイクがありますからね、こういうことはある程度の資本力が無いと出来ません。
サーリーを土建屋だと思えばサルサはゼネコンです。サーリー長男は地元で家業を継ぎ、サルサ次男は都内でビジネスマン。そんなイメージです、多分。
そのようなわけでエリート傾向のあるサルサ次男はお値段も張りますがそこはそれ。海外通販を使ってしまうと安く買えたりもします。ビジネスマンの次男はブランド品に弱い…。
『じゃあどこで安いのよ?』となりますが、英国のマリーンサイクルでちらほらとセールをやってます。
<参考>
https://www.merlincycles.com/jp/mountain-bikes-75266/?brand=salsa¤cy=JPY
リンクが上手く繋がっているなら観れますが40%OFFです。
上手く使えばサーリーよりずいぶん安く買えます。サーリーはセールをやりませんので、そういった意味ではサーリーの方がステイタス感があるかもです。
(3) CANYON / キャニオン
<URL>https://www.canyon.com/ja/mtb/dude/
『ファットバイクを最大限に楽しみたい』という要望であればキャニオンです。
流石はドイツブランドというか、非常にテクニカルなモノづくりをやっています。フレームはカーボンのみになりましたし、ドロッパーシートポスト・フロントサスペンションが付いていることなんて当たり前のメーカーです。
『でも…お高いんでしょう?』 となりそうですがそんなことはありません。
『格安です!』…とは言いませんが相場よりマイナス10万円くらい安く販売されています。これについてはキャニオンが通販限定のブランドだからです。店舗・流通・人件費をカットしているのでこの価格が出来るわけですね。
まぁそのシワ寄せとしてアフターサポートが厳しいので初心者泣かせでもありますが。
『メンテナンスとかマジでわかんねぇ…』という方はホーザン(大阪にある自転車機材メーカー)がキャニオンとタイアップしてメンテナンス講座をyoutubeにUPしていますのでまずそちらを見ましょう。
<参考>ホーザンメンテナンス講座
https://www.hozan.co.jp/mechanic/canyon/index.html
これを見て『なんか大丈夫そうだな』と思えた方は多分大丈夫です。たかが自転車です、整備なんて誰でも出来ます。位置調整して油刺すだけの話です。
(4) ROCKY MOUNTAIN / ロッキーマウンテン
<URL>http://www.bikes.com/en/use/fat-bike
MTBやり放題国家のカナダでぶいぶい言わせてるメーカーです。
日本だとダウンベストのイメージの方が強いでしょうね。ご存知の方も多いと思いますがあれは復刻ブランドというもので、一度消滅したROCKY MOUNTAINのライセンスを買い取った上で生産されています。
個人的にも1枚持っていますが便利です。ダウンベストは中々いいかたちのものが少ない…。
MTBの方のROCKY MOUNTAINも堅実に作ってあるということで安定した評価を受けています。MTBだけで何種類あるんだかというラインナップですからね、よほどのノウハウがないとこんなことできません。ファットバイクは現在のところ2種類作られています。
(5) KONA / コナ
<URL>http://www.konaworld.jp/
我が相棒たるクロモリロードバイクとファットバイクを生産しているコナです。
名前としてはハワイ諸島ですがこれもカナダのメーカーです。まぁファットバイクを作っているメーカーなんて大抵が北米ですけれど。
コナはMTB界ではいい感じに中堅です。
日本の自動車メーカーで言えばスバルのような感じでしょうか。変に余計なものを足すわけでもなく実用的なMTBを淡々と作ります。パーツも悪いものを使いませんしジオメトリもキレイです。にもかかわらず何故か安い、ファンタスティックメーカー。
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『実用性ならサーリーなんじゃないの?』と突っ込まれそうな気がしますが、サーリーはライフスタイルに対する実用性でコナはMTBとしての性能に対する実用性の違いですね。
(6) JAMIS / ジェイミス
<URL>http://www.jamis-japan.com/
ジェイミスはコナの双子の兄弟(のようなもの)です。ジェイミスの方がロードバイクに寄っていますがやってることはさほど変わりません。安くて良いものをせっせと作ります。
そういった意味ではジェイミスの方が不遇とも言えます。コナはそれなりに評価を受けていますがジェイミスは端から相手にされていません。圧倒的に知名度が低いのでロードバイクユーザーであっても『何それ?』という場合がとても多い…。
まぁ…あれです、知名度は低いですがモノは良いですよ。人気が無いので投げ売りセールをやっている場合もあったりなかったり。
(7) KOGA / コガ
<URL>http://koga-bikes.jp/
実のところ定番でもなんでもないのですがここだけしかやっていないファットバイクがあるのでご紹介を。
ファットバイク界で唯一ドロップバーハンドルの完成車を売るメーカーが古賀さん(オランダ)です。
ファットバイクでドロハンを使うメリットはありません。
低速域ではトルクが掛けにくいですし、高速域(舗装路の坂を下る場合)ではファットバイクは低空気圧のためタイヤの挙動が安定しないので姿勢が固定しやすいフラットバーじゃないとちょっと怖いのです。
ドロハンファットバイクに適したフィールド・シチュエーションは"凹凸が少なく風も弱い砂地の道を50km進まなければならない"とかそんなのです。日本では考えられません。
なんでこんなことやっているのかさっぱり分かりませんが見た目が面白いのでこれはこれで。自転車は見た目が10割だもの。
(8) CHARGE BIKE / チャージ
<URL>https://www.riteway-jp.com/bicycle/charge/
未だに良く分からないブランドなのですが思いの他知名度があります。
ブランドイメージとしてはサーリーを都会的にしたような感じといいますか。悪く言えばチャラい、良く言えばスタイリッシュといったブランドです。
まぁこんなものはマニア視点ですのでどうでもいい話ですね。
ファットバイクは基本的にはハードテイルなので実際のところそんなに変わるものではありません。ジオメトリがちょっと雑かなと思う部分もありますがシティ的な用途であればこれはこれでいいのでしょう。
サーリーより2段階くらい安いので手が出しやすいです。そこまでこだわりが無いというのであればチャージだって十分すぎます。もちろんクロモリフレームのファットバイクもあります。
(9) ICAN / アイカン(中華)
<URL>https://jp.icancycling.com/collections/fat-bike
さてアイカンです。
中華メーカーについては賛否両論あるとは思いますがカーボンのファットバイクフレームを安く購入できるのはここくらいしかありません。
もしファットバイクのフレームが壊れたとしたら何とかして代わりを入手しなければいけませんが、ファットバイクフレームを単体で売ってるメーカーは選択肢がほとんど無い…。
サーリーは重いしサルサは高い…となると中華です、選択の余地がありません。
完成車はキャニオンと比べると割高なのでおすすめは出来ませんが、例えば安いファットバイクを買ってからアイカンのフレームに移植してしまうというものアリだと思うのです。
いきなり30万円のファットバイクを買うのはハードルが高いですからね。安い完成車を買う→カーボンフレームに交換する→そこそこのホイールに交換する→コンポーネントを交換するといった感じで交換していけば大きなお金を必要とすることなく楽しめます。
ちなみにKONA WOとはBBのシェル幅だけ違います、惜しい。中華ファットバイクのBBは120mmが多いらしいです。
(10) CUBE / キューブ
<URL>http://cubebikes.jp/
キャニオンと同じくドイツブランドのキューブです。CRCユーザーにはお馴染みですね、プロチームへの機材提供もしている欧州では大手のサイクルブランドです。
キューブの取り扱いは色々複雑だったりするのですが(代理店がコロコロ変わる…というか消える)、現在では塩野自転車株式会社というところが扱っているらしいのでおそらく入手できるのではないかと…ダメだっらガイツーで。
<URL>塩野自転車株式会社
http://shionosport.jp/
キューブにはNUTRAILというシリーズのファットバイクがあります。値段としてはお安くありませんがフロントにROCKSHOX BLUTOを使ったハイスペックなバイクです。もし為替が円高にいけばお買い得になる可能性が無きにしもあらず。
(11) MONGOOSE / マングース
<URL>http://ride2rock.jp/brands/mongoose/
ふざけた名前のような気もしますが非常に立派なブランドです。
こちらはMTBではなくBMXから派生しています。BMXなのでもちろん米国ですよ、Xゲームでもよく見ます。BMXを最初に定義したブランドとしても有名です。なぜマングースなのかは分かりません。
マングースのファットバイクは高い物はそれなりに高いですが安いものは安いです。『ルック車ではないもので一番安いのを!』となるとマングースのARGUS SPORT(アーガススポーツ)が筆頭に上がります。
<参考>MONGOOSE 17’ARGUS SPORT(サイクル吉田)
https://www.cycle-yoshida.com/pc/syousai.php?SYOCODE=00390129
エントリーラインでお値段11万円程度、KONA WOよりお安いです。
とはいえ最近ではこのアーガススポーツが入荷しているのかしていないのかよく分かりません。2018年のカタログには載っていなかったんですよねぇ…スポーツではなくコンプならカタログに載っていたのですが。2019年以降に期待ですかね。
(12) BRONX / ブロンクス 、サカモトテクノ
<URL>https://www.bronx-cycles.com/
<URL>
http://www.sakamoto-techno.co.jp/
ある意味一番大事かもしれません。
良くも悪くもファットバイクで検索すると登場するブロンクスとサカモトテクノ、所謂ルックファットバイクです。安いファットバイクとして有名ですね、ネット上だとボロカスに叩かれているか絶賛されているかの二極化です。
このようなルックファットバイクですが、個人的には以下の2つの条件次第をクリアしているなら別にいいんじゃないかと思っています。
(1) オフロードで使用しないこと
(2) 通販ではないこと
ルック車にも色々ありまして。
例えばロードバイクやMTBのルック車は止めた方がよろしげです。ロードバイクは速度が出るので危ないですしMTBルック車はそもそもMTBではないので買う意味がありません。
ところがファットバイクはやや例外だったりします。
ファットバイクは速度が出しようが無い自転車なのでダラダラとペダルを回すなら基本的には問題ありません。
実際のところハイエンドの超軽量カーボンフレームロードバイクをガシガシ踏む方が怖いです。あの子たちは反抗期の中学生のようにデリケートですのでガチの実業系の方は使いません。チームスカイのようにお金があれば使い捨ても出来ますけどね。
というわけで舗装路に限定してだらーっと進むだけであるならブロンクスでもサカモトテクノでもOKです。これが(1)の話ですね。
とはいえ何でも良いというわけではありません。それが(2)の話になるわけですが、通販は止めましょう。最初に酷いものが届いたらどうしようもありませんので現物確認は必須です。
ルックファットバイクの最大のハードルは寧ろここです。「フレームが明らかに曲がっている」「ハブの軸が偏心している」といった自転車として当たり前のことを確認出来ないと買えません。ルックファットバイクはまだまだ生産が始まったばかりですからね。
自分で状態が判断できないのであれば判断出来る人を連れて行ってチェックしてもらいましょう。これが出来ればルックファットバイクでもOKです。
ブロンクスのBBシェル幅は120mmらしいですね。エンド幅は検索したものの見つかりませんでした。ご存知の方は教えて下さい。
…と以上の12個をあげましたが無理に上から選ぶ必要性なんて全くありません。
キャノンデールにしろスペシャライズドにしろ20万円くらいでファットバイクを販売しています。上手くセール期間にフィットすればコナやチャージよりお得かもしれませんです。
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