V12mgはいいペダルです。優れたデザイン、軽量、高いグリップ性と必要な要素をきっちり満たしているにもかかわらず6000円代!(ガイツーのセール価格ですけど)。
ガチガチにダウンヒルとかやる場合はVaultの方が頑丈なのでおそらく良いのでしょう。とはいえVaultはブッシングの寿命が短いとも聞きます。そうなるといよいよメンテナンスが面倒なことになるのでそれも困りものというもので。
グラベル以上クロカン未満くらいの悪路であればVaultよりも軽いV12がフィットするのではないでしょうか。街乗りとかであれば言うまでもなくV12で十分です。
そもそもブッシングって単品で買えるんですかね? DMRでは補修関係パーツがセット販売されているのですが、ベアリングなんてそうそう劣化しませんし…。
・VAULT BEARINGS
https://www.dmrbikes.com/Catalogue/Pedals/Pins-Bearings-Axles-and-Tools/Vault-Bearings
ブッシングがすり減るたびに25€とか無理です。
V12mgの話に戻りますが、これとファイブテンを合わせればビンディングいらないんじゃないかと思います。実際最近ビンディングの出番が減りました。ビンディングを使うのはローラー台くらいになりつつあります。
DMR-V12mgはとても良く出来ているのですが、購入直後だと「ハブの回転が渋すぎる」という欠点があります。
いやもうマジで回りません。シマノのペダルだと安いものでも強くはじけば5回転くらいクルクル回りますが、DMR-V12は90°(1/4回転)くらいしかしません。この程度であれば「回っていない」と言った方が正しいでしょう。
ノーマルのV12はヌルヌルなのになぜV12mgはこんな有様なのだろうか…V12mgの方がお高いのに…。
今回はこれを改善しようというお話です。V12のメンテナンスと銘打っていますがDMR全般について言える内容だと思います。
ペダルのメンテナンス
…とはいえ難しいことなんて一切何もありません。カップ&コーン式のペダルだとボールの玉当たり調整をしなれればいけませんが、DMR-V12はベアリング式なので適当にグリス塗って適当にナットを締めればそれで終了となります。
『めっちゃ回転欲しいです!』という方は最初からカップ&コーン式のペダルを選びましょう。回転性能は確実にカップ&コーン式の方が上です。ただベアリング式と比べるとメンテナンスがいちいち面倒になりますのでそこは覚悟ですが。
V12の話に戻りますが、注意するのは「粘土が低いグリスを選ぶ」ことだけですね。ベアリング式ペダルのメンテナンスは以下の結局のところ下の2つくらいしかありません。
・ベアリングを交換する
・塗るグリスを変える
割れてもいないベアリングを交換するのは勿体ないので今回はグリスを変えるしかありません。
…で、ベアリングを交換するにしてもグリスを塗り替えるにしてもまずはシャフトを引っこ抜かないといけませんが、DMRのシャフトは地味に曲者だったりします。
ペダルのシャフトを分解する場合は大抵の場合でソケットレンチを使用します。ソケットレンチは100均でも普通に売られていますが、DMRでは9mmサイズのレンチが必要になってくるんですね。
9mmサイズのソケットレンチはあまり売られていないのです。100均ではほぼまちがいなく見かけませんし、ソケットがパッケージ販売されている商品であっても「8mm・10mm・12mm…」とかだったりします。
ダイソー様のソケットレンチ
9mmが含まれているのはきちんとしたメーカー品じゃないと珍しいです。
…まぁメーカー品を買えばいいだけなんですけどね。ノーブランド的な商品だとほとんど見かけないというだけの話でもあります。
上の商品をとりあえず買ってしのぎましたが持ちにくいのでかなり使いにくいです。
ホームセンターでも9mmが入っていないものがかなり多いので、お店を探し回るくらいならamzonで買ったほうがはやいかもしれません。
・9mm角が入ってるソケットレンチ
https://amzn.to/2A5ur01
工具は普通が一番!
右ペダルシャフトナットは逆ネジ
DMRペダルの分解における注意事項は「右側のペダルシャフトは逆ネジになっていること」です(全部がそうなっているかどうかはわかりませんが)。自転車はペダルをクランクに取り付ける場合も右左で締める方向が違いますが(※自転車の進行方向に回すと締まる)、DMRはペダルシャフトも左右で違います。
そんなわけで、さも当然のように正ネジだと思っていると永遠に分解が出来ません。
分解後が上です。プラットフォームにクロモリシャフトを突っ込んでナットで留めているだけの簡単設計となっています。
せっかく分解したので重さを調べてみましょうか。
プラットフォームが87gで…
シャフトが85gでした。
プラットフォームはマグネシウムなのですこぶる軽いですが、シャフトはクロモリなのでずっしりきます。数値は同じにもかかわらず実際に手に持ったときの重量感がまるで違って面白いです。
ちなみにシャフトの中はグリスでべったべたになっていました。
これだけグリスが詰まってたら回らないのも当然といえます。グリスそのものの粘度が高いことも伝わってくると思います。
セラミックグリスでサラサラに
シャフトを抜いたらあとはグリスを交換するだけです。既存のグリスをふき取ってセラミックグリスを塗り塗りします。使っているのはAZ様のBGR-004。
https://amzn.to/34z7Ya2
他のセラミックグリスを使ったことがないので比較できませんが、例えばデュラグリスとかと比べると異様なくらいに柔いです。柔い=粘度が低いですので、硬いグリスを使っている場合はコレに変えると回転系は確実に向上します。
柔いのでその分流れやすくはなってしまいますが…まぁそのためのベアリング式です。分解清掃が簡単なので困ることはありません、たぶん。
グリスの選び方
グリスの適切な選び方は地味に難しいです。何でもいいと言えば何でもいいのですが、ちょっとこだわり始めるとそんなことが言えなくなってきます。種類も豊富なのでわざわざ揃えておくのも結構面倒です。
グリスについては万能系とセラミックの2つを所有しておけば十分だと思います。
『万能系グリスってどんなものなの?どんな成分が入っていればそうなの?』と思われる方も多いと思いますが、大抵のグリスは万能系なので気にしなくて良いところです。それ以外であればパッケージに何か書いてあります。何も書いてないなら万能系です。
これについては『シマノかAZのどちらか』と思っておいて差し支えありません。
・シマノの万能グリス
https://amzn.to/317ea6I
・AZの万能グリス
https://amzn.to/2zYCKLp
シマノがいわゆる「デュラグリス」というやつですね。
『どっちがいいの?』となると思いますが…まぁどっちを選んでもそんなに変わりません。お金をかけたくないならAZです。量もすごいので親子2代でも使いきれません。ちなみにAZの方が柔いです。
『万能ならそれだけでいいんじゃないの?セラミックグリスはどうして必要なの?』となるかもしれません。これは「ゴム製品や樹脂に接触する場合はシリコングリスとかセラミックグリスの方が良い」ということになっているためです。
とはいえこんなことを律儀に守ってる人間なんてそうそういません。使いたいものを使えばいいのです。都合が悪かったら違うものに変えればいいだけです。
グリスを変えた結果は…
まぁ…グリスを変えただけなので劇的に改善するようなことはありませんよ。カップ&コーンだと玉当たり調整ができますが、ベアリング式はベアリングの性能とグリスで決まるので技術的な要素がほとんど発生しません。具体的に言えば90°から180°くらいになりました。半回転はしてます。まぁ2カ月3か月くらい使えば1回転くらいはするようになるのではないでしょうか。
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