新しくなったエスワークスのターマックウルトラライトと旧ターマックのジオメトリを実際に描いて比較してみた話です。やっぱり描いてみるのが一番分かりやすいですね。
・・というわけで描いてみたのがこちらです、比べているサイズは52cmになります。
BBを起点に揃えていますが・・・ほとんど変わらないですね。
<参考URL>
https://www.specialized.com/ja/ja/men/bikes/menss-workstarmacultralight/129254
ヘッドチューブ頂点を拡大するとこのような感じになります。
X方向で5.9mm短くなり、Y方向で1mm高くなっています。旧ターマックと比較すると若干ながらアップライトになったと言えるのかもしれません。以前の52サイズで『ほんのわずかながらハンドルが遠かった』場合はそのまま52サイズが選べるということなのでしょう。
シートチューブの角度は変化無し。
全体のトレンドとしてはやや寝かす方向に進んでいますが、スペシャライズドは角度を維持するようですね。これはやはりホイールベースをコンパクトに収めるための措置なのでしょう。タイヤ径が大型化していますのでうかつに変更できないという事情も理解できるところです。
実際の使用例が気になったのでプロのバイクを参照してみることにしました、写真はペテル・サガンがツールで使用した新型ターマックです。
シートポストに角度がついてややセットバックしているようですがサドル位置はほとんどセンターですね。至って普通のポジションです、予想ではもう少しセットバックしてるのかと思っていたのですが完全に外れました。こうやって見てみるとサガンは少し小さいフレームを使っているような感じですね。
しかしサガンの処分はどうだったんでしょうね。普通に考えて「スプリントをしながら後ろからスプリントをかけてくる相手の顔に肘を入れる」なんて出来ないでしょうに、人間後ろは見えませんから。よくあるクラッシュの一つとして終わらせた方がよかったんじゃないかなと思えてなりません。
やや脱線しましたが、スペシャライズドの中の人は『旧ターマックで49・52サイズを使っていたユーザーは注意』と書いています。確かに最近のプロバイクを見てみるとヘッドチューブ頂点よりもハンドル位置が低いことが多いので間違いではないのでしょうが、ホビーライダーレベルではまぁそのまま移行してしまって良いのでしょうね。
2つ目に気をつけて頂きたいのは、先代Tarmacで49サイズ、52サイズに乗っていらっしゃった方が最新型へ移行する場合です。具体的な数値で説明すると、先代の49サイズはスタックが504mmだったのですが、新49サイズでは514mmとなりました。52サイズでは526mm('17)から527mm('18)となり、ワンサイズごとに比例して数値が変わるというわけではなくなりました。先代、新型間で著しい変化があるのは49、52サイズで、この部分に注意を払っていただくか、もしくはRetulで購入前サイジングを行えば非常に安心ですねhttp://www.cyclowired.jp/microsite/node/236134より部分的に引用
なんでしょうね・・・スペシャライズドに限ったことでもありませんが、もうジオメトリについては素材が一新でもされない限り大きな変化というものは起きないのではないかと思ったりします。ちまちまと色んなメーカーのジオメトリを描いて遊んでたりするのですが、メーカー毎に数字の違いはあってもアプローチに関しては「全体をバランス良くアップデートする」ということで共通しているといって問題ないでしょう。
「理系科目は偏差値70だけど文系科目は偏差値60」といったようなものではなく、「全ての科目で偏差値65を取る」といったような感じでしょうか。当然と言えば当然の流れだとは思いますが、ほとんどのメーカーがこのようなアプローチで最適化を行っているようです。
その結果としてメーカーの差異が縮まり全体が均一化されていくわけですね。全てのブランドのフレームを作図しているわけではありませんが、感覚としてはここ数年はフラグシップであっても今回のTARMAC ULTRALIGHTのように「ややアップライト」というのが基本になってると感じます。
カーボンフレームが頭角を現すようになってからおよそ30年。この期間に爆発的な発展を遂げてきたカーボンという素晴らしい素材ですが、そろそろこの進化も鈍化する時期に来ているのかもしれません。
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