何だかんだで結構な台数のロードバイクに乗ってみたのでそろそろ書けるような気がします。ロードバイクのサイズ選びについてです。
「ロードバイクのサイズ選びについて」
理想としては現物に跨ってみたいところですが、ロードバイクで希望するフレームに試乗できることなんてまずありません。小さいお店であればそもそも実物のフレームを見ることすらできないなんてザラにあります。最近だとインターネットと流通経路の拡大のおかげで通販が一般化しつつあるような感じですが、ロードバイクに限っては昔から通販が普通です(特に地方では)。『ロードバイクを通販なんてありえない!』という意見もありますが、実はそんなことはなかったりするんですよね。
日本に向けて展開していない海外のフレームが欲しいとなると通販しかありませんし、欲しいバイクが40%OFFなんかで売られていたらネットで済ませてしまおうと考えるのも人間というものでしょう。当然ですがおカネは大事です。仕事が忙しくて時間が取れない方も多いでしょうし。
そんなわけで基本的には実際に跨るのが最上ですが、どうしようもない場合のヒントとしてロードバイクのサイズ選びについてのアドバイスのようなことを書いてみることにします。
・身長だけでサイズの判別をすることは出来ない
大前提として身長だけでサイズの判別をすることは出来ません。日本人は身長も小柄な民族ですが、それに比例して手足も短いです。ここを無視するとおそらくサイズ選びに失敗してしまいます。ロードバイクのメインストリームは欧州です、手足の長い彼らの体形が基準になっていることをしっかりと意識して下さい。
結論から書けば、欧州向け・・というか全世界に向けて展開されているバイク・フレームであれば多くの日本人ならワンサイズ下が正解になることがほとんどです。『ロードバイクのフレームは小さめを選ぶ』と良く言われますが、その理由はここから来ています。フレームが大きい訳ではありません、私たち日本人の身体が小さいのです。
しっかりしている通販サイトであれば、この点も考慮して適正身長が記載されているところがあります。例えば、日本の老舗ショップであるサイクルスタヂオハクセン。実店舗は上野にありますね。こちらの通販サイトを見れば分かるのですが、メーカー公式に記載されている適正身長とハクセンが記載している適正身長には随分と違いがあります。
適当に開いたページの例を出しますとFUJIのSL2.5というバイクの52サイズについて見てみます。メーカー発表では適正165cm~173cmとなっていますがハクセンでは170cm~180cmとかなりの差があります。ちなみにTop Tube(Effective)は530cmのスローピングフレームです。
普通なら公式サイトのアナウンスが正解だろうと書きたいところですが、おそらく現実的にはハクセンが記載している身長の方が正しい場合が多いでしょう。
・http://www.fujibikes.jp/2016/products/fuji_size.pdf
・http://item.rakuten.co.jp/hakusen/sl25_sale/
この場合であれば真ん中をとって168.5cmと175cmということにしましょうか。
おそらくかなりの割合で168.5cmである日本人にとっては52サイズは大きいはずです。手足の長さが違えばワンサイズくらい当然のように変わってくるのがロードバイクというスポーツです。まして、このフレームはレース用であるので高剛性を期待するという意味でもワンサイズ下に落ち着く場合が多いはずです。ついでに書くとスローピングとホリゾンタルでも感覚はずいぶんと違います。
自分の手足が短いか長いかの判別は中々難しいところもありますが、既成の服を着てみると何となく分かったりします。特に腕の長さは顕著に出ます。分かりやすいのはジャケットですね、手持ちの服を何着か着てみて3cm4cmくらいは詰めないといけない場合は高確率で腕が短いと判断出来ます。
この辺りはブランドによりけりという面もありますが、ユナイテッドアローズ・やビームスといったセレクトショップオリジナル商品・・いわゆる「セレオリ」が分かりやすいのではないかと思います。あの辺りの商品はちょっと袖が長めで統一されているので比較しやすいですね。
あとは友人や彼女(配偶者)と比べてみるのも有効です。大抵の場合で彼女よりも身長が高い場合が多いと思いますが、背中をくっ付け合って腕の長さを比べてみて彼女より10cmくらい背が高くても腕の長さがほとんど変わらないということがあります。こういった場合も腕が短いと判断してよいでしょう。
・ジオメトリは実際に作図した方がいい
ベテランライダーの方であれば数字だけでイメージ出来るのかもしれませんが、ごく一般的なホビーライダーであればあんな数字を見ただけで具体的な全体像が浮かび上がってくるものではありません。
ロードバイクを買う場合はCADソフトを使って実際に作図することをおすすめします(※イラストレーター等のソフトでもいけます)。CADソフトはフリーのものがありますし、操作としても特に難しいわけではないのでジオメトリの数字を図形化するくらいなら簡単に行えます。一度描いてしまえば後は重ねるだけで差が分かりますからね。
「スタックが長いとどうのこうの」「ホイールベースが短いとどうのこうの」といった知識がありますが、実際に何枚か作図すれば専門的な知識がなくても感覚で分かってくる部分は沢山あります。
ちなみに上のジオメトリはBrand-X RD-01の520mmを図形化したものです。
・またがったときの感覚について
実際にまたがった時に何を基準に判断するかということについて書いてみます。これはもう直感でも良いかもしれませんが、言葉にするのであれば「お腹の下に丸い空間を感じること」が基準になります。画像引用"http://chougenboubicycletours.blogspot.jp/"
どんなサイズであれハンドルを握ればとりあえずお腹の下に空間は出来ますが、その空間から球体がイメージできない場合はこれもサイズオーバーであると言って間違いないはずです。
この空間が無いということは腹筋が伸びきっているということになるのですが、そうなるとチカラを込めることが出来ません。実際にやってみると分かるのですが、人間は筋力を使う運動をしようとすると必ず腹筋が縮んで身体が丸くなります。背筋を伸ばし切ったままでは動けないようになっているのです。
これはボクシングでもそうですね。試しにシャドーボクシングでもやってみると分かります。強いパンチを撃とうとすると絶対に身体が縮むことが確認できるはずです。
腹筋の重要性はスポーツ全般に言えることですが、ロードバイクにおいてはこの感覚が特に重要になります。ロードバイクのセオリーとして「ハンドルに荷重をかけ過ぎないこと」が頻繁に上げられますが、この空間が出来ているのであれば自然とこのようなことは防げるはずです。これも実際にロードバイクの姿勢を作れば分かるのですが、お腹の下に球体空間を作ると重心が自然と後ろに移動するので並行してハンドルへの荷重は絶対に軽くなります。
・どうしても分からないときはコンセプトストア
あまり大きい声で言えたことではありませんが、どうしてもサイズの参考基準が無い場合はもう各ブランドのコンセプトストアに行くしかありません。なぜコンセプトストアかといえば、コンセプトストアであればほとんどの場合で試乗車が展示されているからです。大きめのチェーン店であれば多少おいてあったりもするのでそちらでもかまいません。とてもスマートなやり方ではありませんがモデルとサイズをメモしてしまえば数字での比較は出来ます。
・ワイズロードのバイオレーサーを受ける
全国展開しているスポーツバイクショップ「ワイズロード」。ここではバイオレーサーというサイズ測定・フィッティングサービスがあります。サービス内容で金額は違いますが、適正サイズを測定するだけなら1000円で出来るそうですね。・バイオレーサー(ワイズロード)
http://www.ysroad.co.jp/support/bio/
利用したことが無いので信憑性に関しては不明なのですが参考にならないということはないでしょう。フィッティングサービスであるバイオレーサー5000は中々評判がいいみたいですね。もし自分の適性ポジジョンが数千円で出せるのであれば激安です。パーツ1個買うだけでもそれくらいしますからね。
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