もしかしたら『フレームセットから組み立てたい』という方もいらっしゃるかもしれませんので書いてみることにしました。
<ロードバイクを組み立てるために必要なパーツについて>
例のごとく結論から、必要なものは以下になります。□ フレームセット(フレーム・フォーク)
□ コンポーネントグループセット
□ ヘッドパーツ
□ コラムプレッシャーアンカーorスターファングルナット
□ ハンドル
□ ステム
□ バーテープ・エンドプラグ
□ コラムスペーサー
□ フロントディレーラークランプ
□ リアハンガー
□ シフターケーブル・アウターケーシング・ケーブルエンド
□ ブレーキケーブル・アウターケーシング・ケーブルエンド
□ ケーブルテンションアジャスター
□ ケーブルガイド
□ サドル
□ シートポスト
□ シートポストクランプ
□ ペダル
□ ホイール
□ タイヤ
□ インナーチューブ・リムテープ
□ グリス
□ オイル・クリーナー
全てのロードバイクで上記のものが必要となるわけでもありませんが、概ねこのような感じのものが必要であるという理解で大丈夫だと思います。上段に並んでいるものが躯体に近いもの、下段に並んでいるのが消費材的なものです。実際のところ組み立てるだけなら特に難しいわけでもありません。
ここからは細かい部分で重要となる部分について見ていきます。
ヘッドパーツの選び方
まず大切になるのがヘッドパーツでしょう。ロードバイクの組み立てにおいて一番面倒なのがヘッドパーツですので、ここさえ超えればあとは難しくありません。簡単に言えばヘッドパーツは圧入が必要なものと不必要なものに分かれます。いわゆるクロモリロードバイクの場合は必ず圧入が必要となり、カーボンフォークの場合は圧入が不必要になることがほとんどです。圧入には専用工具とそれなりの器用さが必要になりますので難しい場合はお店でやってもらうのも一手です。
圧入が必要になるヘッドパーツはノーマルやアヘッドといった種類があり、不必要になるものがインテグラルヘッドという種類になります。ちなみにノーマルとアヘッドは径さえ同じであれば流用可能です。
ヘッドパーツはさらに細かい部品で構成されていますがパッケージ化されて売られていますのでフレーム・フォークに合わせて規格寸法を選べば問題ありません。
クロモリロードバイクであればフォークに「1インチ(ISO)」とか「1インチ(JIS)」と記載されているはずです。最初のうちは混乱してしまいそうな部分ですが、書いてある通りに素直に選べば失敗はありません。
コラム周辺
並行してプレッシャーアンカーとスターファングルナットについて触れましょう。こちらは要するにフォークとフレームをしっかりとくっつけるための部品です。上方向に引っ張ることでフォークのガタつきを抑える訳ですね。プレッシャーアンカーとスターファングルナットの違いですが、端的にいえばコラムがカーボンの場合はプレッシャーアンカー、コラムが金属の場合はスターファングルナットを使うのがセオリーです。
・・とはいえスターファングルナットの取り付けには圧入が必要になってくるので、面倒な場合はプレッシャーアンカーを使っても問題ありません。カーボンフォークだとプレッシャープラグがおまけで付属していることがあったりします。
グループセットの選び方
グループセットにはクランク・シフターといった駆動系のパーツが全て入っています。個別で買うこともできますがまとめて買った方が安価なのでセットで購入してしまいましょう。注意するのはオプションの選択ですね。例えば105セットの場合でもオプションの種類で内容が微妙に異なります。
オプションでは「クランクの長さ」「クランクの歯数」「カセットの歯数」を選ぶことが出来ます。
クランクの長さは使用される方の体形にもよりますが、ごく一般的な日本人男性の場合であれば170mmで良いでしょう。例外としてレース志向である場合は172.5mm以上が良いかもしれませんがこの辺りは個人の技量によります。
クランクの歯数・カセットの歯数は要するにギア比を決める部分です。
ギア比は小さければ小さい程回すのが楽になります。こちらもレース志向でないのであればクランクの歯数はコンパクトクランク(50T-34T)で良いと思います。カセットの歯数はディレーラーの種類にも関わてくる場合があるので断言するのが難しいのですが、登りが嫌いな場合は32Tを初めから考慮に入れておく方が良いのではないでしょうか。カセットが大きい方がギア比が小さくなりますので登りが楽です。
この辺りは事前に「トータルキャパシティ」について勉強しておくとスムーズです。ディレーラーのGSとSSについて知っていれば問題無く選べると思われます。
グループセットにおいてもうひとつ大切なのがBBの規格です。
シマノグループセットに入っているBBの規格は68mmJISですが、フレームが対応していない場合は当然使えません。シマノは他規格のBB(PF86等)も販売していますし、他メーカーからも多数の規格BBが展開されているので何とかしようと思えば大抵の場合で何とかなりますが、なるべくお金を無駄にしないためには最低限の知識があった方がよいですね。例えば105グループセットはwiggleではおよそ5万円程度で販売されていますが、もしBBとクランクが別途必要になる場合はそれだけで1万円以上は追加で必要となります。
ここまでが躯体関係になります。
最近のカーボンフレームですとシートポストクランプが無いものもあったりしますし、ステムと一体になっているハンドルも販売されていたりします。スペーサーを使わない場合もあったりしますので、記載しているもの全てが必要となるわけではありません。
フロントディレーラークランプはカーボンフレームではほとんどの場合で不要になり(※カーボンは素材の性質上圧力を加えることが出来ない)、クロモリフレームではほとんどの場合で必要になります。フロントディレーラーを直付けすればクランプは不要ですが、グループセットに入っているフロントディレーラーは直付けではないので結局のところクランプを買った方が金額としては安く上がります。
最後に記載しているリアハンガーですが、もし日本に代理店が無いブランドのフレームセットを購入する場合にはこれが別途販売されているか必ずチェックして下さい。リアハンガーが破損するとリアディレイラーを取り付けることが出来なくなります。
日本に代理店があるメーカーであればお店に行って取り寄せできるので問題ありません。ちなみにクロモリロードバイクの場合はフレームと一体になっているので不要です。
消費材系のパーツ
次は消費材系のパーツについて見ていきましょう。タイヤ関係は・・特に大丈夫ですね、チューブラーの場合はチューブが要りませんし、最近のクリンチャーホイールではリムテープが不要なモデルもあったりしますので、メーカーの情報をきちんと確認しておきましょう。
ただ、近年のホイールのワイド化には一応注意しておいた方が良いかもしれません。とはいえ23Cが使えるなら25Cでも大丈夫だと思いますが・・・。
書くまでもないことだと思いますが、ロードバイクのホイールはシマノ規格とカンパ規格の2種類があります。カンパーニョロのコンポーネントを使用される方はごく少数だと思いますがこちらも一応注意しておきましょう。
ケーブル関係はクロモリロードとカーボンロードで微妙に異なります。
最近のカーボンロードはインナーケーブル式が主流であるためケーブルガイドが不要なことも多いです。クロモリフレームの場合はケーブルテンションアジャスターが必要ですし、モデルによっては受けも必要になります。ケーブルはまとめて売られているセットを買ってしまえば事足ります。シフターケーブルとブレーキケーブルは違うものですので間違えないように注意して下さい。
グリスは特に何でもよかったりしますが、これといって高いものでもないのでシマノのデュラエースグリス100gを買っておきましょう。チューブ式だと塗るときに楽です、手も汚れません。オイルは自転車チェーン用であれば何でもOKです。チェーンはオイルの種類よりもきちんと汚れを落とすことが大事なので、オイルにお金を出すよりもまずクリーナーをきちんと選ぶことをお勧めしたいところです。
必要なパーツは以上となります。たくさんの部品で構成されているようなイメージが強いロードバイクですが、実際にはこの程度の内容です。
クロモリフレームやプレスフィット系BBが使用されているカーボンフレームだと圧入箇所が出てしまうので個人ではちょっと恐い面もありますが、この辺りはお店に頼めばすぐに終わる部分です。最近では参考となる資料がたくさんありますのでパーツの選び方さえ間違えなければ特に難しいことは無いと思います。
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