ホビーライダーのためのロードバイクの選び方(前編)

2016/06/10

自転車の知識

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ロードバイクを選ぶ上での事前知識です。あくまでも趣味として嗜んでいるので完全に正解であるとは言えないのですが、基本的には間違っていない内容になっていると思います。




「ロードバイクは基本的に3種類」

とりあえず次の三種類のバイクの性質を覚えましょう。これらを知れば選び方が非常に楽になります。

・レースバイク
・エンデュランスバイク(コンフォートバイク)
・ツーリングバイク(ランドナー)

具体的なバイクの種類としては他にもシクロクロスやタイムトライアルといったものもありますが、基本的にはこの3種類に分類してよいのではないかと思っています。シクロクロスやタイムトライアルを選ぶ場合は目的がはっきりしているはずなので悩むようなことは無いでしょう。


バイクの判別にはジオメトリが大きく関わってきます。これはメーカー毎の考え方の違いや時代の流行というものもあり中々断定できるものでもないのですが、基本的に注意すべき部分は変わりません。




・レースバイクのジオメトリ


その名の通りレースをするためのバイクです。サイクルロードレースの要といえるバイクですが、皆が皆レースに出るというわけでもないので実際には需要としてはさほど多くないのではないかと思います。

レースバイクのジオメトリの特性は色々ありますが「ヘッドチューブが短い」「ホールベースが短い」とことは最低限押さえるべきでしょう(最近のバイクのヘッドチューブは大型化しているので判断が難しかったりしますが)。ヘッドチューブは下の画像であればF、ホイールベースはIの部分になります。


ヘッドチューブが短いということはその分前傾姿勢を取れるということですので、必然的に空気抵抗が減りその分高速での移動が可能になります。

ホイールベースは車輪から車輪までの距離のことですが、これが短いと敏感なハンドル操作ができるようになります集団で行う競技であるロードバイクでは他選手との接触は小さくない確立で起こりえますし、競技場所である路面に何が落ちているのかも分かりません。それらを可能な限り回避するためにホイールベースを短くしてあるのがレース向けバイクといってよいでしょう。

実際の具体例として、下の2つのジオメトリを比べてみましょう。上がアンカーのレースバイク「RS9 ELITE」のジオメトリ、下が同ブランドのエンデュランスバイク「RFA5 EQUIPE」ジオメトリです。



引用「http://www.anchor-bikes.com/」

レースバイクであるRS9の方がフレームサイズが大きいにも関わらずヘッドチューブ長さ・ホイールベース共に短くなっていることが確認できますね。これがレースバイクの基本的なジオメトリです。




・エンデュランスバイク(コンフォートバイク)のジオメトリ


レース向けではないとは言えませんが、基本的には「その辺りを趣味で走るためのバイク」です(※とはいえエンデュランスバイクでレースに出る人もたくさんいます)。そのため大多数の方にとって最も適当なバイクであるといってよいでしょう。

ジオメトリとしてはレースバイクと反対であると考えて問題ありません。「ヘッドチューブが長いこと」「ホイールベースが長いこと」がエンデュランスバイク(コンフォートバイク)の特徴となります。

ヘッドチューブが長いと前傾姿勢は取れませんが、その分筋肉に対する負担が減りますので長距離を移動する場合は楽になります。また、これは路面に対する振動吸収性も高めますので、石畳のような完全に舗装されていない道で有効です。ホイールベースが長い場合は敏感なハンドル操作はできませんが、車体を安定させる効果が高くなります。双方共にロングライドにとっては重要な要素です。



・ツーリングバイクのジオメトリ


エンデュランスバイクと重なる面も多いのですが、ツーリングバイクはツーリングバイクとして独自のジオメトリを持っています。マイナーな種類のですがツーリングバイクのジオメトリ特性を知ることはロードバイク全体のジオメトリに対する理解を深めますので是非知っておきたいところです。

ツーリングバイクのジオメトリ判定はかなり難しいのですが、一般的には「フォークオフセットが長いこと)」「シート角度が小さいこと」が特性として上げられます。


フォークオフセット(ホイールベース)に関してはもう書く必要はないでしょう、問題となるのはシート角です。このシート角というものについてはかなりの議論があり、 『現行フレームは(バイクの種類に関わらず)傾斜がありすぎなのではないか?』というトピックスは頻繁に目にすることができます。

シート角は小さい方が荷重が後方に移動するため、カーブやブレーキといった車体をコントロールする場合に有効です(プロ選手が長い下り坂で身体をサドルの後ろに落とすあれを想像して頂ければ分かりやすいと思います)。また、こうすることでフレームにしなりが生まれるので衝撃吸収性が向上し乗り心地もよくなります。そしてなによりもサドル位置の調整範囲が広がるという重要な意味を持ちます。基本的に小柄である我々日本人にとっては無視の出来ない要素といえるものです。

対して、シート角が大きい場合はより迅速にパワーが伝わるので加速性は高くなります。このためレースバイクのシート角は基本的には大きいものが多いですね。


やや脱線しましたが、ツーリングバイクについてはこのような感じでしょうか。ジオメトリの特性についてはまだまだ書くことがありますが、基本的な部分としてはこの程度で問題ないでしょう。

矛盾する点としてツーリングバイクではヘッドチューブが短い(※ホリゾンタルフレームが多い)ということが上げられますが、これはトップチューブを長く確保して振動吸収性を高めるためです。

ここはレースバイクでちらりと出てきた「剛性」に関わってくる部分なのですが、ここを書き出すと非常に専門的な内容になってしまうので割愛します。簡単に書けば剛性に重要なのはバランスであり、ホリゾンタルフレームはトップチューブを長くすることで振動吸収性を確保し、スローピングフレームはヘッドチューブを長くすることで振動吸収性を確保している」・・ということなのですが、深く考えなくても良いでしょう。




ここまで出てきた「ヘッドチューブ」「ホイールベース(チェーンステーとフォークオフセット)」「シート角度」という要素をおさえておけば、最低限ではありますがジオメトリの特性が見えるようになります。

http://furamika.blogspot.jp/2016/06/blog-post_11.html
関連記事 「ホビーライダーのためのロードバイクの選び方(後編)」

http://furamika.blogspot.jp/2016/06/blog-post_28.html
関連記事 「ホビーライダーのためのロードバイクの選び方(実践編)」 

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