要するに『お高い機材を使えば必ずしも良い結果になるとは限らない』というわけですが、この筆頭となるがエアロハンドルです。
エアロハンドルはフレームとセットでなければ効果が生まれませんし、生まれたところで「プロが100km走って30秒縮まる」とかそんな世界なのでホビーライダーにとっては限りなく意味がありません。
まぁ無意味だけなら良いのですが、大抵の場合でむしろマイナスになります。
エアロハンドルはケーブルをハンドル内に通すことになるのでワイヤールーティングが複雑化して変速性能・ブレーキタッチが確実に悪化します。せっかく上級コンポーネントを使っていても性能が下がってしまうわけです、勿体ないですね。
ディスクブレーキであればルーティングの関係上さほど問題はありません。油圧ディスクの場合はワイヤーを使いませんのでそもそもルーティングは有って無いようなものです。
ただ、リムブレーキでこれは極めてよろしくありません。
完全インナールーティングであればメーカーがきちんとルーティングを加味して設計しているので比較的にマシですが、中途半端なケーブル内蔵フレームでワイヤーが出たり入ったりする場合がTOO BADです。
中途半端なケーブル内蔵フレームの例
「出たり入ったりする」ということはそれだけケーブルが曲がっているということですからね、ケーブルが曲がれば摩擦抵抗は必ず増えます。そして内蔵式になるとケーブル長さの調節もやりにくい。調節が面倒だとテンションも下がります。
…というわけでエアロハンドルは我々のようなホビーライダーにとっては限りなくネガティブ、百害あって一利なし的な存在なのですが、かたちと使い方によってはこれ以上ないとても便利な道具になったりします。
それがハンドルバーバックを付ける場合です。
このようなライズ型のエアロハンドルであればフラット部分を握ってもバッグと干渉することがありません。小さいことのようですがとても大事な要素です。
バイクパッキングをされている方であれば分かると思いますが「フラット部分が握れない」というのはロードバイクにおいてとんでもないストレスです。ブラケットだけを握り続けて100km走るとか拷問でございますよ~。
実際のところハンドルバーバックはとても機能的…というか、他の手段が不便でよろしくありません。
他の手段だと概ねこんな感じになります。
・サドルバックだけだと荷重が後ろに集中してしまうので重量バランスが気持ち悪い
・ツール缶だと容量の制限が強く、取り出しも都合が悪い
・ステムバッグorトップチューブだとダンシングで脚に当たるので気持ち悪い
・フレームバッグだと何もしなくても脚に当たるので気持ち悪い
機能的に考えれば「頻繁に使うものをハンドルバーバッグ、パンク修理等の頻度の低いツールをサドルバッグに入れる」というスタイルが最上です。サドルバッグからスマホをゴソゴソ取り出すとか面倒でやってられません。
『付けるとフラット部分が握れなくなる』というデメリットのせいで敬遠されてたハンドルバーバッグはライズ型のエアロハンドルを使うことでこの問題をクリア出来る…という話です。
ルーティングの関係上の性能が全体的に低下しますがハンドルバーバッグを付ければ「荷物をぶら下げてるんだからそんなこと気にしても仕方がないよねぇ…」と心理的な誤魔化しもできます。
うまく行けば便利なのでおすすめです。
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