最初から調べておくべき事のような気もしますが、買ってからじゃないと気付かないもとも多いもので。シングルスピードバイクを使い始めてから知ったり気付いたりした内容をあれこれ書いてみようと思います。
・完成組ホイールの選択肢が少ない
全く販売されていなわけではありませんが、ロードバイクのように大量に出回っていません。基本的にはトラック競技であるため、そんなに軽量化やエアロ化をしなくても良い・・・ということなのでしょうか(トラックは規定が厳しいことくらいしか知りません)。ロードのホイールと同じようにサイクルショップでオーダーすることは可能なようですが。ロードバイクのホイールのようにホイホイ買うことができないので、もしホイールを変えることを前提にしているのであれば予め「目当てのホイール」を調べておく必要があるかもしれません。
・太いタイヤもあまり売って無い
街乗り的なシングルスピードバイクのタイヤ径はクロスバイクと同程度の28mmが多いですが、このサイズはあまり安く売られていません。ある程度ロードバイクに慣れてくるとタイヤ等は海外通販を使用して安く買う場合が多いと思いますが、海外通販でもこれらのサイズは比較的に少ないです。また、カラーリングのバリエーションも23Cと比較すると非常に少なくなっています。25C・28Cではブラックのみというパターンが多いですね。
・ギア比をきちんと考えないとダメ
Verenti「Closer」 は48-16Tというギアになっており、この数字はギアの歯数を示しています。48-16Tというのは『フロントギアは48歯、リアが16歯』ですね。48/16=3であることから、この場合ですとギア比は「3.0」となるようです。このギア比は『小さいと軽く、大きいと重いもの』となっています。では、「このギア比3.0というのはどの程度の重さなのか」ということになりますが、世間一般では『それなりに重いもの』であるとのことです。確かに踏んでみて軽くはありませんでした。ロードであればほとんど無意識でギアを変えてしまうので感覚としてずいぶんと違うものがありますね。
このギア比はさらに歯数の差でケースが別れます。例えば、36-12Tであっても同じギア比3,0です(あくまでも公約数です)。では、共にギア比3.0である48-16Tと36-12Tの場合の差ですが、それぞれに長所と短所がありこちらの方が良いといった万能的な回答はないようです。
http://tomomori-kogyo.co.jp/TKBikes/TK-03-GEAR-HI1.htm
上記のサイトに非常にピンポイントな長所・短所の一覧が乗っておりました。
・フレームサイズによっては大きなギア(コグ)が入らないかもしれない
ギア比と平行する内容ですが、フレームサイズ(正確にはステーの長さ)によっては歯数の大きなギアが入らないかもしれません。歯数の大きなギアは当然ながら大きくなりますが、そうなるとチェーンステーの長さによっては収まらない場合があるようです。購入したCloserはXSサイズなのですが、20Tのギア(※シングルスピードではコグと呼ぶそうです)は入りませんでした。この辺りも随分と勝手が違いますね。リアで対応出来ない場合はフロントのクランクを小さくするしかありません。クランクをホイホイと変えることは手間ですので、やはりリア側での対応を前提として考えておいた方が良さそうですね。
・ハンドルが細いのは結構怖い
シングルスピードのハンドル径はロードバイク(OS)より随分と細くなっているので、ロードバイクのハンドルに慣れてる場合はかなりの違和感があります。まぁ、これはバーテープを二重三重にすればいいだけの話ではありますが。・ホイールの着脱方法がロードバイクと違う
シングルスピードにはディレーラーが付いていないため、チェーンの張りを手動で調節しなければなりません。この調節方法がリアタイヤを前後に動かして調節するという非常に原始的なものとなっており、ロードバイクとは大きく異なっている部分です。ロードやクロスといったギアチェンジできる自転車は、ディレーラーに付いているバネの部分で自動的にチェーンの長さが調節されていたことを初めて意識しました。視界には入っていても意識しないと分からないことは多いですね。
実際のリアタイヤの位置調節ですが、チェーンは張り具合で踏みこみの重さが微妙に違ってきます。緩くすれば軽くなり、きつく張れば重くなるります。タイヤ位置を前にすればチェーン緩くなりますし、後ろに引っ張ればきつく張られます。原理としては分かりやすくて良いのですが、この調節が難しい・・・。
位置の決め方は施行錯誤すれば見えて来ると思いますが、タイヤの左右のバランスの取り方には慣れが必要なようです。
ハブを差しこんでいるだけの構造となっているため、極端な事を言えば『右側の位置を前に出し、左側の位置を後ろにする』といったことも出来ます。もちろんこんなことをしてもメリットなんてありませんが。要するにシングルスピードでは左右の位置が自動では決まらないということです。
そんなわけで左右の位置を確認しながらナットを締めて行かないといけませんが、これを締める場合の問題が「右側と左側で感覚が違う」ことです。右側にはチェーンが張られているため、左側よりも強く引っ張られる力が働きます。ちょっと慣れが必要かもしれませんね。気付いたら想定位置よりも前に行ってしまっていることが多いです。
このリアホイールの位置調整を補助してくれるのがチェーン引きという道具もあるらしいです。これはようするに『ハブを後ろに引っ張る道具』ですね。これを使う事で、前に行き過ぎたハブを後ろに引っ張って調節することが出来ます(便利!)。
ちなみにCloserにはチェーン引きは付属していませんでした。まぁ街乗りであればそんなに大きなトルクをかける事もないのでナットで十分でしょう?といった感じなのでしょうね。実際にシングルスピードで画像検索をかけても付けている方が圧倒的に少数です。
とにもかくにもホイールの仕組みは大きく違います。
・固定ギアは楽しい、でもそれ以上に難しい
ロードバイクユーザーがシングルスピードバイクに対して最も興味を持つポイントが「固定ギア」だと思われます。トラック競技もかっこいいですからね。固定ギアは楽しい面もありますが、普段フリーギアの自転車を使っている人間からすれば慣れるまでが非常に大変です。
個人的な感覚としては実際に身体を使って走る徒競走に近いような感じがします。脚で止まる感覚ではなく身体全体を使って減速する感覚と言えばばよいのでしょうか。人間の脚にブレーキが付いていないのと同様に固定ギアは基本的に止まれません。
もちろんブレーキは効くのですが、フリーとは全く勝手が違います。走る場所・走る速度をきちんと考えないと危険です。都会で乗るのは怖いですねぇ・・・。他国だとさも当然のようにビル街のど真ん中で固定ギアを乗り回す動画があったりしますがあれは大丈夫なのだろうか・・・。
・フレームサイズは大きい方が良いかもしれない
これについては個人的な感覚が強いかもしれませんが、シングルスピードバイクは一度買うとカスタムしたくなってしまいます。こうなると最も変更したくなるのがハンドル周りですが、例えば完成車の段階でドロップハンドルとして売られているものをフラットバーハンドルに変更しようとするとポジションが大きく変わります。ハンドル位置は短くすることよりも伸ばすことの方が大変です。ステムの長さには限界がありますし、サドル位置をあまりにも後ろに下げるとペダリングの効率が大きく変わってしまいます。
将来どうしたいのかということは中々見えてきませんが、もしなハンドルを変えることを想定している場合はフレームサイズをしっかり吟味して買わないと後悔するかもしれません。
買ったことを特に後悔しているわけではありませんが、もっと良く調べないとだめですね・・。下にストリートバイクのブランドについて簡単に集めた記事がありますのでよろしければ参考にされて下さい。
関連記事「ストリートバイクに興味のある方に贈る定番ブランド10選」
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