
ロードバイクにおいて重量という要素は非常に大切になってきます。しかしながら『何をどう変えたらどれくらい軽量化できるのか』ということは中々把握にしにくいものがありますね。今回はロードバイクの重量がどのように決まり、何を変えれば軽量化ができるのかということについて考えてみます。
<ロードバイクの重量はどこで決まるのか>
まずはロードバイクの重量がどうやって決まるのかということを押さえましょう。ちまちまとしていて面倒な感じもしますが、これを先に理解しておいた方が後々のことが非常に楽になります。早速ですが、ロードバイクの重量を決める要素は大きく分ければ以下の4つです。
・フレームセット(フレーム+フォーク)
・コンポーネント(グループセット)
・ホイール
・その他(ハンドル・ステム・シートポスト・サドル・タイヤ等)
これらを踏まえた上でグレード差における重量を比較するとおおよそ以下のようになります。
・フレームセット 1,200g~1,800g
・コンポーネント 2,000g~2,600g
・ホイール 1,400g~1,900g
・その他 とりあえず保留
これはあくまでも個人的に考える目測値のひとつです。フレームセットであれば超軽量のものであれば1000gというものもありますし、逆に一般的なクロモリフレームであれば3kg近くまで増えてしまうことも少なくありません。そのような訳で、このようなスーパーハイスペック、もしくはその逆のものを含めてしまうと標準値にならなくなってしまいますので考慮にいれておりません。『一般的に考えればおおよそこの辺りになるのではないか』と個人的に考える数値です。
暴力的な感じもしますが、要素毎にグレードの差で500g程度の違いが出ると考えてよいのではないでしょうか。ちなみにコンポーネントはデュラエースと105・ティアグラを想定しています(DURA-ACE 9000はカタログ値で1,987g)。ホイールは一般的なクリンチャーという想定です。
※参考資料(1)
シマノコンポーネント(グループセット)のグレードと重量
・DURA-ACE 9000 1,987g (カタログ値)
・ULTEGRA 6800 2,274g (カタログ値)
・105 5800 2,540g (wiggle記載値)
・Tiagra 4700 2,584g (http://road.cc/content/review/182657-shimano-tiagra-4700-groupset)
・SORA 3500 2,661g (http://retao.hatenablog.com/entry/2014/04/28/231436)
・SORA 3400 2,953g (http://pandahead.blog.so-net.ne.jp/2009-06-05)
※参考資料(2)
シマノホイールの重量
・WH9000-C24-CL 1,387g
・WH-RS81-C24CL 1,502g
・WH6800 1,640g
・WH-RS10 1,869g
・WH-501 1,900g
・Campagnolo Zonda(CL) 1,594g
この段階でとりあえず重量の合計を出すと以下のようになります。
4,600g(最小値)
6,300g(最大値)
最小値であるバイクをハイグレード、最大値であるバイクをエントリーグレードと仮定しましょう。
では、次は保留しておいたその他の要素を見てみます。
まずハンドルですが軽いものでは200g、重いものだと300g程度の重量があります。 ステムの重量は軽いもので100g程度、重いものだと150gくらいになりますね。合計でおおよそ150g程度の差が付くと考えてよいでしょう。
シートポストはカーボン製の軽いものでは150g程度、重いものでは300g程度の重量があります。シートポストはライダーとフレームの形次第でカットできますのでこれをそのまま使うケースは少ないかもしれませんが、ここでは150gの差が付くと考えます。
サドルの重量差は種類によって大きく変わるので比較が難しいのですが、軽いものでは100gを切るものもあり、重いものだと300g以上まで増えます。軽量化を目指しているという前提ですので、ここでは重いもので300g程度と過程しておきましょう。
後はタイヤとチューブですが、ここでは重量としての差はほとんど発生しません。軽いものでは200g程度ですが重いものであっても230g程度です。チューブの重量はおおよそ80g前後で特に変わりません。ついでにヘッドパーツもここで追加しておきましょう。規格によって異なるのでなんとも言えないのですがこれはとりあえず100gと仮定します。
・ハンドル 200g~300g
・ステム 100g~150g
・シートポスト 150g~300g
・サドル 100g~300g
・タイヤ 200g~230g(×2)
・チューブ 80g(×2)
・ヘッドパーツ 100g
合計値 1,210g~1,770g
ハイグレードロードバイク 4,600g+1,210g=5,810g
エントリーグレードロードバイク 6,300g+1,770g=8,070g
あとはこの数字に必要な小物を追加していきます。
・バーテープ
・バーエンド
・シートクランプ
・クイックリリース
・リムテープ
・コラムスペーサー
何か見落としてるような気もしますが、とりあえずこれでいきましょう(ワイヤー・ワイヤーケーブル・ディレーラーハンガーは面倒なので除きました)。これらはおおよそですが300g程度としましょうか、これで以下のような最終的な完成車の数字が算出されます。
ハイグレードロードバイク 6,110g(ペダル含まず)
エントリーグレードロードバイク 8,370g(ペダル含まず)
<ロードバイクのグレードと重量の関係>
多分に個人的な思い込みもあると思いますが、概ね間違ってはいない数字ではないでしょうか(※この数字が正確であるかどうかは市販の完成車と照らし合わせて比較していかなければいけないのですが疲れてしまったので見送ります)。完成車の参考例としては、キャノンデールのSUPERSIX EVO HI-MOD Dura Ace(2016年)が約6,2kgでこの数字にとても近いものになっています(ささっと詳細を眺めた感じではさほど間違っていないような印象ではあります)。
自転車においては必ずしも「軽い=ハイグレードである」というわけではありませんが、現在のカーボン形成技術のことを考えれば、もうこれはセオリーとしてしまっても良いと思います。一般的な有名メーカーのフレームであればどこもきちんと剛性は確保されていますからね(所詮はホビーライダーですし)。余程訳の分からないメーカーを選ばない限りは問題はないでしょう。
この結果を改めて表で出力するとこのような感じになります。
ハイグレード | ミドル(中間値) | エントリー | |
---|---|---|---|
フレームセット(フレーム+フォーク) | 1200 | 1500 | 1800 |
コンポーネント(グループセット) | 2000 | 2300 | 2600 |
ホイール | 1400 | 1650 | 1900 |
その他1 | 1210 | 1490 | 1770 |
その他2 | 300 | 300 | 300 |
合計 | 6110 | 7240 | 8370 |
これらの情報を使えば軽量化の目安がぼんやりながらも見えてきます。
例えば、エントリーグレードのフレームセットを使用している場合はハイグレードまで上げれば600gの軽量化ができますし、その場合においてコンポーネントがミディアムグレードであればハイグレードまで上げることでさらに300gの軽量化が行えるというわけです。とはいえ、このような場合は完成車を買った方が安上がりだと思いますが。
逆に一から組み上げる場合においては、フレームセットがハイグレードであれば他のグレードが全てエントリーグレードであっても7770g(8370g-600g)という重量で組むことが出来るという算段を立てることができます。
このように、フレームやパーツのグレードからおおよそですが軽量化の目安を立てることが出来ます。
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