ためになる・・・かどうかは分かりませんが、知っているとちょっと楽しい知識です。
「GR LENS f=18.3mm 1:2.8の持つ意味」
レンズの下部に刻印されているこの単語、GRに限ったことではなくほとんどのカメラに同じような数字が並んでいます。これを理解するだけでもカメラに対する理解がぐぐっと深まります。ことGRに関して言えば、以下の3つを示してい(ると思い)ます。
・単焦点レンズであるということ
・焦点距離がf=18.3mm(35mm換算で28mm)という広角レンズ(広角カメラ)であるということ
・F値が2.8であるということ
・単焦点レンズとは何か
単焦点・・などとはどこにも書いてないのですが、GR LENDSは単焦点レンズとして命名・開発されています。単焦点とはその名の通り、焦点がひとつしかないということを示します。早い話がズーム機能がありません。一眼レフだとレンズが大きく伸びたり縮んだりして分かりやすいのですが、コンパクトデジカメもズーム機能が付いているものが多いですね。一眼レフのレンズ(※正確にはズームレンズ)ですと、18mm-200mmといった数字が付いていたりしますし、コンパクトデジカメの場合も4.5mm-135mmという数字が付いていたりしますが、これらは全て「焦点距離を○○mm~○○mmまで変えれますよ」ということを示しています。
焦点距離を変えられるということはズームが出来るということです。近すぎる場合は引けますし、遠すぎる場合は寄せることが出来る便利なレンズです。単焦点の場合は自分でちまちまと移動して構図を考えたり決めなければいけません。不便といえば不便なのですが、それゆえに面白い部分もあったりします。
雑に言ってしまえば単焦点はズームレンズよりきれいに写ります。
ズームレンズですと様々な倍率で写す事になりますので、倍率によっては細部が微妙に異なったりすることがあります。単焦点であれば倍率が変わらないので一般的にはズームレンズよりもきれいに写ることが多いというわけです。
GRの謳い文句に「卓越した描写力」というのがあるのですが、これは単焦点であるということを前提に言っているのでしょう。まぁ、逆に言えば『単焦点なのににきれいに写らないってどういうことだよ?』とも言えそうな部分ではありますが。
・f=18.3mm(35mm換算で28mm)とは何か
広角レンズとは、そのままですが「より広い範囲が写るレンズ」のことです。このfは焦点距離を示しており、数字が小さいほど広角が強くなります。超広角レンズと呼ばれるものでは撮影している自分の足が写ってしまったりするらしいです。はっきりとした数字がある以上基準があり、一般的には28mm~30mmくらいから広角レンズとして扱われることが多いです(※カメラの種類でも変わってきます)。GRが正に28mmですので広角レンズの入門機と考えても良いのかもしれません。
ここで難しいのが『焦点距離が18.3mmなのに35mm換算では28mmとはどういうことなのか』ということなのですが、これはデジタルカメラのイメージセンサーのサイズが関係しています。レンズそのものの焦点距離は18.3mmですが、デジタルカメラの場合は本体のイメージセンサーの大きさを考慮しなければあまり意味の無い数字でもあります。
イメージセンサーはデジカメにおいて実際の映像を焼き付ける場所なのですが、コンパクトデジカメはサイズが小さいためどうしても一眼レフのような大きいセンサーをつけることが困難です(※大きなものを付けても仕方が無いという面もあります)。そもそもコンデジは本体の大きさもバラバラなので当然ながらイメージセンサーのサイズもバラバラです。そのようなわけで、あるサイズを基準にして『○○サイズに換算すると○○mm』という言い方がされています。
この基準となっているサイズが36mm×24mmというサイズ(※1mm大きいですがあまり気にしないでください)であり、一般的にフルサイズと呼ばれている大きさになります。
ハイエンドクラスの一眼レフに使われているサイズがこれですね。プロの方か余程の愛好家でなければ手を出しません。ロードバイクで言えばデュラエースグレードのようなものです。まぁロードバイクよりも人口が多い趣味ですので持っている方は普通に持っていますが、一眼はボディよりもレンズの方が高いですし。
ちなみにGRⅡですが、イメージセンサーは23.7mm×15.7mmという大きさ(※APS-Cと言われる大きさです)になっています。フルサイズよりも一回り小さい大きさではありますが、コンパクトデジカメでここまでのサイズがあるものは中々ありません。中グレードの一眼でもこのサイズのものが多いです。
では、なぜデジタルカメラの場合はわざわざフルサイズに換算をする必要があるのかと言えば、そうしなければ「画角」が分からないからです。
例えば、他の一般的なコンパクトデジカメのイメージセンサーサイズは1/2.3型というサイズとなっており、数字で示すと6.2mm×4.7mmという大きさになります。
GRⅡが23.7mm×15.7mmですので比べると大きく違うのですが、この1/2.3型というサイズもフルサイズに換算すると焦点距離25mmといった数字になり、一見すると『GRとそんなに変わらないのでは?』となってしまいます。
※イメージセンサーのサイズ参考WEBサイトURL
http://www.antaresdigicame.org/photo_gallery/camera/camera87.html
しかしながら、例え焦点距離が同じでもセンサーの大きさで違ってくるのが画角です。
上の画像は極端な例ですが、このように考えれば一目瞭然でしょう。
このように焦点距離が同じでもセンサーサイズの大きさの違いで撮影範囲である画角というものは大きく変わってきます。数字上で考えれば、1/2.3型サイズの画角はフルサイズの0.18倍であり、APS-Cの画角はフルサイズの0.66倍です。撮影できる範囲がいかに違うのか分かりますね。
※画角を計算できるサイトもあります。
(例) http://keisan.casio.jp/exec/system/1378259716
画角はレンズだけでなくイメージセンサーを組み合わせないと見えてこないので分かりにくいのですが、こうして比べることでGRがいかに広い画角(=広角)を持っているのか分かります。GRは他のコンパクトデジカメでは中々写せないような範囲も捉えることが出来るダイナミックなカメラです。
昔のカメラはフィルムでしたので、言ってみればイメージセンサーのサイズが共通していたわけです。故に、レンズの焦点距離そのものが画角として扱われていたのですね。本来は角度である画角というものが○○mmという長さで扱われているのはその名残になります。カメラの歴史を感じる部分です。
・F値が2.8とはどういうことか
F値が小さいと明るいレンズであるということを示します。これは分かりやすいですね。写真というものは暗くするよりも明るくするほうが難しいので、明るいレンズというものは非常に重宝されます。では2.8という数字はどの程度なのかということですが、一般的には明るい部類に属するレンズといえる数字です。ここに記載されているF値は開放F値というもので、最大まで明るくしてこの数字ですよというものになっています。ちなみにF値が小さいと写真にボケが作りやすくなりますので、GRの場合はコンパクトデジカメにしてはボケが作りやすいように出来ています。
※参考URL
http://diji1.ehoh.net/contents/fti.html
最近だとスマホでも当然のようにF値1.8みたいなのがありますよね・・時代の進化は凄いです。
GRはざっくりといってしまえば「単焦点で」「広角で」「明るい」カメラなのですが、内容を少しだけでも知っていると中々面白い知識だと思います。
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